研究開発内容Research and Development
ナノ粒子は、さまざまな分野で産業化が進められている材料である。ナノ粒子は、バルク体・粉体に比べて、表面積・反応性・触媒特性・磁性などに特異な性質を持つ。このため、多様な方法でナノ粒子の生成が行われているが、現状で一般に市販されているナノ粒子の最小径は5nm程度である。当社では1nm程の金を始めとする多様なナノ結晶粒子の生成に成功し、多様な分野との共同研究を開始しており、今後、日本の最先端技術の発展に大きく貢献したいと考えている。
ナノ粒子を微細化するためには、初期に生成されるナノ粒子核が可能な限り小さいことが望ましい。またナノ粒子角の成長(凝集による結晶化)を防ぐ技術が必要である。化学反応によるナノ粒子の生成では、異なる分子から還元によりイオン原子を取り出すが、自然対流のため速やかに結晶化が始まり、微細ナノ結晶の生成は困難である。
一方、プラズマを利用すれば、イオン状態を最も容易に作れる。この時、電極物質及び溶液は約5000℃の高温となり、全ての原子はプラズマ内でイオンと電子状態となる。この時、核の成長を抑えるために高温プラズマを高速冷却することができるかが課題となる。我々は『プラズマ急速加熱冷却法』の開発により、これを達成した。急峻な温度勾配が原子同士の凝集を妨げ、微細粒子生成の鍵となる。これらを考慮して開発した生成装置の概念図を図に示す。
株式会社JAPAN NANO研究所 所長 依田眞一(宇宙航空研究開発機構 名誉教授・熊本大学客員 教授)
事業内容Business
当研究所では、京石産業株式会社と国立大学法人熊本大学との共同研究から新たに考案された『プラズマ急速加熱冷却法』を用いた極小の金属ナノ粒子の製造と、その応用利用に関する研究を行っています。
プラズマ急速加熱冷却法を用いることで、これまでにない極小の金属ナノ粒子を製造することが可能となりました。またすでに本研究所ではプラズマ急速加熱冷却法による大量生産技術を確立致しました。平均粒径2nm以下のナノ粒子を、高品質・低コスト・大量に市場へ供給致します。
『プラズマ急速加熱冷却法』装置概要図
プラズマ急速加熱冷却法の利点
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極小ナノ粒子が製造可能
(平均粒径2nm以下) -
様々な純金属・合金・
セラミックス材料を生成可能 -
低コストでの製造が可能
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大量生産技術を確立済み
製品紹介Our Product
●貴金属や合金など様々な素材を微細なナノ粒子に生成します。
●お客様のご要望に沿った微細ナノ粒子を共同/開発し提供します。
これまでに合成したナノ粒子
- 1)Au、Ag、Pd、Inなどの単体
- 2)Pd-Ru、Ag-Cu、Fe-Pt合金ナノ粒子
- 3)アルミナ、ジルコニア等の酸化物
- 4)グラフェン、カーボン被膜型金属ナノ粒子
- 【Pdナノコロイド】
- 【Agナノコロイド】
- 【Auナノコロイド】
- 【Auナノ】動的散乱計測結果
- 【Auナノ】SEM画像